心房細動は、左心房の中から異常な電気信号が発生し、脈が異常に速くなる不整脈です。
高齢者に多く、高血圧症や弁膜症、虚血性心疾患、心不全のある方に多く発生します。
特に高血圧症の関与は大きく、長年血圧が高い方に発症しやすいことが分かっています。
疫学的には高齢化社会が進むにつれて罹患する人の数も増え、我が国でも患者さんの数が増えております。
心房細動は大きく2つの弊害があります。
一つ目は心不全を引き起こすことです。
心拍数が異常に速くなり、左心室の働きが低下して血液循環が低下し、肺に水がたまってしまうことがあります。
もう一つは血栓症です。
心房細動があると左心房は1分間に300回以上収縮します。
これはブルブル震えているのと同じになり、左心房の中の血液はよどみます。
よどんだ血液は隅の方で固まり、血栓となります。
これが脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起こすことがあります。
実際に脳梗塞の2、3割は、心房細動が原因となっています。
治療は脈を抑える薬と、血液をさらさらにする薬を内服します。
心房細動が起きて7日以内に治まれば、発作性心房細動といいます。
この場合、カテーテルアブレーションという治療により心房細動が停止させることができます。
ただ成功率は現段階では7割程度です。
脈が急に速くなった、脈が抜ける感じがする、苦しくなる、胸の違和感があるなどの症状があれば、早めに受診しましょう。