神栖市の内科・循環器内科・小児科すずきクリニック

神栖市の内科・循環器内科・小児科すずきクリニック

神栖市の内科・循環器内科・小児科すずきクリニックの診療時間は(月・火・木・金)8:30~12:30 15:00~18:00(土)8:30~12:30 ※火曜、木曜、金曜の14:00~15:00は予防接種/乳幼児検診(予約制)休診日:水曜、土曜午後、日曜、祝日

LINE受付はこちらから

神栖市の内科・循環器内科・小児科すずきクリニックの電話番号050-3526-0278

For English

お知らせ

クリニックからのお知らせ

7/19(土)は休診といたします

ご不便をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

8/10(日)~8/17(日)は休診といたします

8/18(月)より通常通り診療いたします。
ご不便をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

スギ花粉症の舌下免疫療法をご検討されている方へ

スギ花粉症のシーズンが過ぎ、根本治療としての舌下免疫療法をご検討なさっている方へのお知らせです。
最近舌下免疫療法に用いるシダキュア2000JAUが不足しており、調剤薬局に在庫がない状態が続いております。
当院で処方箋を発行しても、調剤薬局で受け取れないという現象が起こり得る状態です。
したがって受診される前に、シダキュア2000の在庫がある調剤薬局をご確認いただきますようお願い申し上げます。

令和7年度から帯状疱疹ワクチン予防接種が公費で受けられます

令和7年4月1日から、公費による帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まりました。

対象となる方
  • 令和7年度中に65歳になられる方
  • 今後5年間は、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になられる方も対象となります。
ワクチンの種類と費用について

現在、帯状疱疹ワクチンには不活化ワクチンと生ワクチンがあります。当院では不活化ワクチン(シングリックス)を主に推奨しており、2ヶ月以上の間隔をあけて2回接種します。

  • 不活化ワクチン接種費用: 1回あたり20,000円
  • 神栖市の助成額: 1回あたり6,000円

助成により、自己負担額は1回あたり14,000円となります。

接種までの流れ

対象の方には、市から接種券が郵送されます。接種券がお手元に届きましたら、お電話050-3526-0278にて医療機関へご予約をお願いいたします。

神栖市の方、銚子市の方の受付を承っております。

自費での接種

対象年齢以外の方や、公費助成を受けずに接種をご希望される場合も、上記電話番号にてご予約を承っております。

ご自身の健康を守るために、帯状疱疹ワクチン接種をご検討ください。

MR(麻しん風しん)ワクチン接種、就学前後のお子さんへ大切なお知らせ

MR混合ワクチンは麻しんと風しんを一緒に予防できる大切なワクチンで、通常は1歳と小学校に入る前の2回接種することになっています。

ところが最近MR混合ワクチンが足りない状況があり、小学校入学前に予約が取りにくいという心配が出てきています。

そこで期限までに接種できなかったお子さんのために、特別に接種できる期間が令和7年4月1日から令和9年3月31日までの2年間に延長されました。

もし小学校に入学してもまだMR混合ワクチンを接種できていない場合は、お手元にある接種券を使って接種を受けることができます。

後日、神栖市から「お知らせはがき」が順次郵送されます。

接種はこのはがきが届いた方から順番にご案内しますので、まだはがきが届いていない方はもうしばらくお待ちください。

なおMR混合ワクチンは依然として供給が安定していないため、ご予約は電話(050-3526-0278)のみとさせていただいております。ご了承下さい。

4種混合ワクチンをお使いの方へ大切なお知らせ

現在使われている4種混合ワクチンは、令和7年4月1日をもって販売が終了となりました。

4種混合ワクチンと新しく導入される5種混合ワクチンは、原則として同じ種類のワクチンで必要な回数を接種することになっています。

しかし今後4種混合ワクチンが手に入らなくなるため、やむを得ない場合には、代わりに5種混合ワクチンで接種することができるようになります。

そのため接種の時期によっては、これまで受けていた4種混合ワクチンとヒブワクチン(別々のワクチン)の組み合わせではなく、5種混合ワクチン1回で接種する形に変わることがあります。

お子様のワクチン接種の際には、医師や医療機関から詳しく説明がありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

3/6(木)より、自動精算機による支払いを開始しました

お支払いの際にスタッフがご案内いたしますので、ご不明な点はご遠慮なくお尋ね下さい。

AIを利用した電話システムを導入いたしました

このたび、AIを利用した電話システムを導入いたしました。

これにより話し中でつながらないことがなくなり、また休診日など診療時間外にも電話でのお問い合わせいただけるようになります。

新しい電話番号は、050-3526-0278です。是非ご利用ください。

オンライン診療のご案内

このたびオンライン診療の予約リンクが変更となりました。

オンライン診療をご希望される方は以下よりご予約ください。

ご予約はこちらから

2025年花粉症について~オンライン診療のすすめ~

今年も春先から主にスギ花粉によるアレルギー性鼻炎が流行することが予想されます。

アレルギーによる鼻汁、鼻閉、目のかゆみなどの症状が出現する前に、先手を打って抗ヒスタミン薬を内服することで症状を緩和する「初期治療」という考え方があります。

花粉症の受診は、是非オンライン診療をご利用ください。待ち時間が大幅に削減でき、時間を有効に利用できます。

オンライン診療はクリニックのホームページから申し込みできます。

事前問診にご協力ください

当院では、AI(人工知能)を用いた問診システムを採用しています。

これにより詳細な病歴聴取が可能となり、正しい診断に近付ける可能性があり、また医療安全に資すると考えられます。

今後診察前に事前問診を入力していただきます。

なるべく来院前に入力して下さい。

来院後に入力していただくこともできますが、その場合入力済みの患者さんの順番が先となる場合もありますので、予めご了承下さい。

事前問診はこちらから

AIチャットボットのご案内

新たにAIチャットボットを設置いたしました。

ご質問、ご意見など何でもご入力いただきますと、AIが即座に回答いたします。24時間稼働しています。

なお開設して日が浅く、まだ答えられない質問もございます。その場合はお電話(050-3526-0278)にてお問い合わせ下さい。

県内の保険薬局のリストについて

茨城県薬剤師会が作成している、茨城県内の保険薬局のリストについてお知らせします。

平日に加えて休日の開局時間、在宅対応に係る体制などの情報が記されています。

URLは以下の通りです。

https://www.ipa.or.jp/pharmacies/search/

当クリニックでは再生可能エネルギー由来の電気を100%使用しています

CO2削減に向けて、今後も取り組んで参ります。詳しくは「みんな電力」で検索下さい。

禁煙治療用のアプリを導入

当クリニックでは新たに禁煙治療用のアプリ、キュアップ(CureApp)を導入しました。

従来のお薬による治療に、スマホのアプリを組み合わせて禁煙治療を心理的にサポートするものです。ぜひお試しください。

詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。

シダキュア舌下錠、ミティキュア舌下錠を処方できるようになりました

当クリニックでは、新たに花粉症および通年性アレルギーに対する、アレルゲン免疫療法(減感作療法)のシダキュア舌下錠、ミティキュア舌下錠の処方が可能となりました。

毎年花粉症などでお悩みの方は、ご検討ください。

治療開始する際には何点か注意点がございます。お気軽にお問い合わせください。

こちらのサイトもご参考下さい。

銚子市の定期予防接種も取り扱っております

当クリニックでは、令和2年9月1日から銚子市のワクチン定期接種の取り扱いが可能となりました。

銚子市の方でも問診票をお持ちいただければ、公費で予防接種が受けられます。

小児の定期接種全種類と、高齢者の肺炎球菌ワクチンも受けられます。

予防接種のご案内はこちら

当院はオンライン資格確認を行っている医療機関です

当院はオンライン資格確認を行う体制を有しています。

患者さんに対して、オンライン資格確認機能を用いて薬剤情報、特定健診情報、その他必要な情報を取得、活用して診療を行います。

Column

マダニにご用心!重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

気温が上昇し、アウトドアのシーズンが到来しました。

この時期に注意が必要なのが、マダニなど節足動物を介する感染症です。

今回は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という覚えにくい病名についてご紹介します。

SFTSは、SFTSウイルスを持ったマダニに刺されて感染することで発症します。

我が国では西日本を中心に患者さんの報告がありますが、キャンプやハイキング、草刈り、家庭菜園など屋外で活動する機会が増えるこれからの時期は、どこでも注意が必要です。

ただし、すべてのマダニがウイルスを持っているわけではなく、数%程度の保有率です。

SFTSの主な症状とは?

潜伏期は6日~2週間程度で、主な症状は以下の通りです。

  • 高熱(39℃以上)
  • 嘔気、嘔吐、下痢などの消化器症状
  • 全身のだるさ

これらの症状に加え、血液検査で血小板や白血球の減少、肝臓の数値の異常が見られます。

致命率は約27%と言われています。

SFTSは主に高齢者に発症し、年齢が高いほど致命率が高い傾向にあります。

SFTSと診断された場合、新たに承認された抗ウイルス薬(ファビピラビル)が使用されることがあります。

マダニはどこにいるの?

マダニは普段私たちが想像するダニの大きさとは異なり、肉眼で見えるほどの大きさがあります。

主に草むら、草やぶ、森林などに生息しており、散歩中のペットに付着することもあります。

SFTSをどうやって予防する?
  • 肌の露出を避ける
    草むらに入る際は長袖、長ズボンを着用し、帽子、手袋も装着しましょう。首にタオルを巻くなどして、肌の露出をできるだけ少なくすることがポイントです。
  • 虫除け剤を使用する
    ディートという成分が含まれている虫除け剤を肌の露出部に適切に使用しましょう。
  • 屋外活動後はチェック
    家に帰ったら、すぐに全身にマダニが付着していないかチェックしましょう。特に脇の下、足の付け根、ひざの裏、頭部などは念入りにチェックしましょう。
  • マダニを発見したら
    マダニの口にはとげがあり、容易に抜けないようになっています。もしマダニが皮膚に食いついているのを見つけても、無理に引っ張らないようにしましょう。マダニの体の一部が皮膚に残ってしまい、化膿してしまうことがあります。できるだけ早く受診し、適切な処置を受けましょう。
マダニに刺されたら医療機関へ

もしマダニに刺された、もしくは屋外活動の後に発熱、消化器症状などが出た場合は、お気軽にご相談ください。

楽しいアウトドアの季節、マダニなど節足動物による感染症の知識を持ち、安全に楽しみましょう。

出典:厚生労働省ホームページ(重症熱性血小板減少症候群について)
日本医師会雑誌2023年7月号
重症熱性血小板減少症候群 診療の手引き2024年版

働きすぎは健康を害する?運動に関する新たな発見

「身体を動かすことは健康に良い」。 これは長年信じられている常識です。しかし最新の研究は、この単純な方程式に疑問を投げかけています。

デンマークのコペンハーゲン一般住民研究によれば、余暇時間の身体活動が心血管疾患や総死亡のリスクを減少させる一方で、労働中の身体活動はこれらのリスクを高める可能性があるというのです。

この研究は10万人以上の成人を対象とした大規模なもので、10年間の追跡調査を行いました。

その結果余暇時間の運動は心血管疾患のリスクを15%、総死亡リスクを40%も減少させることが明らかになりました。

一方で労働中の身体活動レベルが高い人は、これらのリスクがそれぞれ35%と27%増加するという、驚くべき結果も示されたのです。

なぜこのような逆説的なことが起こるのでしょうか。

研究者たちは、余暇時間の運動と労働中の身体活動の性質の違いに注目しています。

余暇時間の運動は短時間で心肺機能を向上させるのに十分な強度で行われ、適切な休息時間を確保できます。

しかし労働中の身体活動は長時間にわたることが多く、単調な動作や不自然な姿勢を伴うことが少なくありません。

これでは身体に疲労が蓄積しやすく、健康に悪影響を及ぼすのもうなずけます。

この研究結果は既存の運動ガイドライン(国内では「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」)にも一石を投じるものです。

現在のガイドラインは労働と余暇の身体活動を区別していませんが、この研究はそれぞれの活動が身体に与える影響が異なることを示しています。

今後は個人のライフスタイルや労働環境に応じた、よりきめ細かいアドバイスが必要になるかもしれません。

では私たちはこの結果をどのように日常生活に活かせば良いのでしょうか。

まずは自身の労働環境を見直し、改善できる点はないか考えてみましょう。

長時間同じ姿勢での作業が続く場合は適度に休憩を挟み、身体を動かすことが大切です。

そして余暇時間の運動の質を高めることも重要です。

ウォーキングやジョギング、水泳など、心肺機能を向上させる運動を、自身の体力に合わせて行いましょう。

身体活動は私たちの健康を支える重要な要素であることに変わりはありません。

しかしその効果は、活動の種類や状況によって異なることを知っておく必要があります。

この研究結果を参考にバランスの取れたライフスタイルを送り、より健康的な生活を目指しましょう。

参考文献:Holtermann et al, Eur Heart J. 2021 Apr 14;42(15):1499-1511

肺炎マイコプラズマ~2024年大流行の詳細と今後の課題

昨年、2024年はマイコプラズマ感染症が全国的に大きな流行を見せ、多くの方が長引く咳や体調不良に悩まされました。

今回は、この一年を振り返り、マイコプラズマ感染症の基礎知識から流行の背景、そして私たちが得た教訓について、解説していきたいと思います。

知っておきたい!マイコプラズマ感染症の基礎

マイコプラズマ感染症は、「マイコプラズマ・ニューモニエ」という小さな細菌が原因で起こる呼吸器の感染症です。

風邪と似た症状で始まることが多いのですが、特に痰の絡まない乾いた咳が長期間続くのが特徴です。

【どんな人に多い?】

学童期のお子さんから若い成人に多く見られるのが特徴です。

マイコプラズマ肺炎の患者さんの約8割は14歳以下であり、中でも7歳から8歳のお子さんが最も感染しやすい年齢層です。

【どうやって感染するの?】

マイコプラズマ菌の増殖はゆっくりで、感染するには比較的近い距離での飛沫感染が主な経路と考えられています。

感染した人が近くで激しく咳をし、その飛沫が直接相手の気管支の粘膜に到達するような、かなり近い距離での濃厚な接触が必要と考えられています 。

【症状は?】

初期症状は発熱、倦怠感、頭痛などで、風邪と区別がつきにくいことがあります。

その後、特徴的な乾いた咳が出始め、解熱後も数週間続くことがあります。

肺炎を引き起こすことは比較的まれですが、重症化する場合もあるため注意が必要です。

2024年、なぜこんなに流行した?

過去には、1980年と1984年のオリンピック開催年にマイコプラズマ肺炎が流行したことから、「オリンピック肺炎」と呼ばれることもありました。

しかし、1991年にマクロライド系抗菌薬であるクラリスロマイシンが登場してからは、流行は比較的落ち着きました。

ところがその後、このマクロライド系の薬に対して抵抗力を持つ菌(耐性菌)が出現し、2012年に耐性菌による流行が起こりました。

2016年にも流行があり、やはり耐性菌の割合が高い状況でした。

2020年はコロナ禍でソーシャルディスタンスなどが普及し流行がありませんでした。

その後感染症対策の緩和に伴い、人の往来が増えたことが、2024年の流行の一因かもしれません。

またマイコプラズマは終生免疫はありませんが、4年くらいは免疫力が保たれるのが周期的に感染を繰り返す原因という見方もあります。

検査と治療の現状

マイコプラズマ感染症の検査には喉の奥を拭う迅速抗原検査がありますが、マイコプラズマはより深い場所に存在することが多いため、感度は約80%とやや低めです。

より正確な診断には、血液検査やPCR検査が行われますが、結果が出るまでに時間がかかることがあります。

治療の基本は、マクロライド系の抗菌薬です。

マクロライド系の薬を投与すると、発熱期間や咳が続く期間が短縮し、気道に存在するマイコプラズマの菌の量が減少することが確認されています。

しかし、耐性菌の問題があるため、症状が改善しない場合は他の種類の抗菌薬が検討されます。

特に小さなお子さんの場合は、早期の適切な治療が重要です。

大人の場合は?~抗菌薬の使い分け~

若い成人の場合、マイコプラズマ気管支炎は自然に治ることもあります。

そのため、安易に抗菌薬を使用すると耐性菌を増やしてしまう可能性があるため、慎重な判断が必要です。

症状が軽い場合は、抗菌薬を使わずに経過観察となることもあります。

厚生労働省のホームページにも、成人の軽いマイコプラズマ気管支炎に対しては、必ずしも抗菌薬を使用しないという治療方針が示されています。

2024年の流行から私たちが学ぶこと

今回の流行を通して、マイコプラズマ感染症は決して油断できない感染症であることを改めて認識しました。

特に、長引く咳には注意が必要です。

そして、抗菌薬の適正使用の重要性も再認識されました。

過去の2012年、2016年の流行の際は、耐性菌が問題となりました。

本来効果があるはずのマクロライド系抗菌薬が効果なく、特にお子さんが重度の肺炎に陥る危険性がありました。

最後に

現在はマイコプラズマ感染症の流行は落ち着いていますが、今後数年後に再び流行する可能性も考えられます。

その際には、若い成人の患者さんに対して抗菌薬を処方するかどうかは、患者さんの症状の程度や意向を十分に踏まえながら、慎重に判断していく必要があると感じています。

耐性菌の問題を踏まえると安易な抗菌薬の使用は避けるべきであり、感染状況や患者さん個々の状態に応じた、より適切な治療戦略が求められています。

大切なお子様とご家族を百日咳から守るために

現在、百日咳ワクチンは乳児期に5種混合ワクチンとして定期接種されており、生後5ヶ月までのお子様には一定の免疫が備わっています。

しかし、百日咳に対する免疫は、初回接種3回と1歳時の追加接種によって強化されるものの、5~6歳頃には免疫力が約30%まで低下することがわかっています。

百日咳は、特に免疫の弱い乳幼児が感染すると重症化するリスクが高いため、5~6歳のお子様が感染源となり、ご家庭内の乳児に感染させてしまうことを防ぐことが非常に重要です。

そこで当院では、6歳(就学前)のMR(麻しん風しん混合)ワクチン接種のタイミングに合わせて、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)3種混合ワクチンの接種をお勧めいたします。

また、百日咳に対する免疫力は時間とともに低下していくため、11~12歳(小学校6年生)のDT(ジフテリア・破傷風)2種混合ワクチンの代わりに、DPT3種混合ワクチンをご検討いただくことも推奨いたします。

これにより、より長く百日咳に対する免疫を維持することが期待できます。

海外では、同様の理由から、成人や妊婦の方に対しても3種混合ワクチン(Tdap)の接種を推奨している国があります。

お子様へのDPT3種混合ワクチン接種にご興味をお持ちの方や、詳細についてお知りになりたい場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

夜尿症のアラーム療法について

夜尿症とは、5歳以上の小児の就眠中尿失禁を指します。1ヶ月に1回以上の尿失禁が3ヶ月以上続く場合は、夜尿症として治療を考えます。

治療の手始めは、まずは生活習慣の見直しです。早寝早起きの習慣と、夕食後の水分摂取がないか、就眠前の排尿などです。

それでも改善しない場合は、アラーム療法、デスモプレシン内服療法があります。

デスモプレシン内服療法は簡便で良いのですが、習い事などで夕食が遅くなり、就眠時間までの時間が短い場合は水中毒の副作用の懸念があり、アラーム療法が適しています。

当院ではアワジテック社のピスコールというアラーム療法機器を採用しており、使えるようになっております。

夜尿症は自尊心の低下など、負の側面があります。またれっきとした疾患であり、お子さんの性格などに起因するものではありません。

お布団に粗相してしまっても責めることなく、是非治療を検討して下さい。

アラーム療法は自費診療ですが、費用は1ヶ月あたりレンタル料が2000円とリーズナブルとなっております。

日本脳炎ワクチン接種は0歳6ヶ月を過ぎたらお早めに

日本脳炎は日本や韓国などの東アジア、東南アジアなどに広く分布するウイルスで、我が国ではコガタアカイエカを媒介して感染するウイルス感染症です。

日本脳炎ウイルスに感染したブタをコガタアカイエカが刺し、さらに人を刺すことでウイルスが体内に注入されて感染します。

日本脳炎ウイルスに対する抗体がないと、100人から1000人に一人の割合で脳炎を発症すると言われています。また3歳未満の児が脳炎を発症すると、高い確率で重篤な後遺症を残します。

日本脳炎ワクチンは3歳から接種券が届きますが、2015年に千葉県で0歳児が日本脳炎を発症したことをきっかけに、千葉県では0歳6ヶ月から日本脳炎ワクチンを接種することが推奨されています。

千葉県に近い神栖市においても環境はさほど変わらないと考えるべきで、日本脳炎ワクチンは3歳まで待たずに、0歳6ヶ月を過ぎたら積極的に接種することを推奨いたします。

接種券が届いていない場合は、神栖市に問い合わせると発行していただけます。

抗インフルエンザ薬について

今シーズンはインフルエンザが大きな流行となっています。

2009年に新型インフルエンザとしてパンデミックを引き起こした株が、今シーズンは主流となっているとのことです。

ワクチンを受けた方は軽く済んでいる傾向があり、そうではない方もいます。

インフルエンザと診断された場合、抗インフルエンザ薬を内服することが多いのですが、内服した場合に発熱期間を1日間程度短くするだけです。

そもそもこの薬はウイルスの増殖を妨げる薬で、ウイルスを死滅させたり症状を消し去る薬ではありません。

ウイルスを死滅させるのは、自らの免疫力によります。

したがって、例えば熱もなく関節痛もなく検査だけ陽性だった方が、念のため抗インフルエンザ薬を飲むというのは、あまり理にかなっていません。

比較的若くて元気のある方は、必ずしも抗インフルエンザ薬を飲む必要はなく、十分に体を安静にして回復することができます。

一方で抗インフルエンザ薬を推奨するのは小児と高齢者です。

小児の中耳炎など、高齢者の肺炎などの重症化を防ぐ効果があります。

若い体力のある方は、解熱剤などの対症療法と、十分な安静で自然回復するものですので、抗インフルエンザ薬の内服についてはよく検討する必要があります。

健康診断でコレステロール高値を指摘されたら

お勤め先で健康診断を受け、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)高値を指摘された場合、医療機関の受診を促されることがあります。

実際に医療機関を受診し、LDLコレステロールを下げる薬剤を処方された方もいらっしゃると思います。

なぜ、LDLコレステロールを下げる必要があるのでしょうか。

それは心筋梗塞、脳梗塞(の一部)を予防することにあります。

最終的にそのような動脈硬化性疾患になり得るので、治療しようとしているのです。

2022年改訂版の動脈硬化性疾患予防ガイドラインによると、LDLコレステロールの基準値は140未満です。

140を超えると高コレステロール血症となります。

では、140を超えたらすぐに薬物治療すべきでしょうか。

答えはノーです。LDLコレステロールは遺伝的にある程度決まっており、コレステロールが高い家系があります。

遺伝で7割ほどが決まっており、残りの3割は過食、運動不足などの生活習慣によって左右されます。

つまり食事、運動を見直すことにより3割程度の部分は下げることができるということです。


例えば30歳男性で、BMI 30ほどの肥満があり、飲酒、喫煙もある方が、以前からLDLコレステロール高値を健診で指摘され、ついに大台を超えたため受診を促されたとします。

そして本人は薬の処方をしてもらうために、クリニック受診したとします。

しかし、まずするべきは内服治療ではありません。

肥満があり、飲酒習慣もあり、喫煙もしているのです。

この状態で薬を飲むのは本末転倒です。

健康的な食事を心がけ、週末は運動して適正体重に戻すことが大事です。

当クリニックではコレステロール高値を指摘されて受診されても、すぐに処方は致しません。

時間をかけて自らの生活習慣を見直すことが、何より大事なことだからです。

それでも下がらない場合、リスク評価(別記)の上、内服治療を検討します。

検査前確率(有病率)について

インフルエンザ、コロナウイルス感染症などの診断をする際に、検査を行います。

抗原検査など検査には、感度、特異度という指標があります。

これは検査のいわば性能のようなものです。

感度はある疾患にかかっている時に陽性になる確率で、特異度はある疾患にかかっていない時に陰性となる確率です。

例えばインフルエンザの抗原検査の平均的な感度は54.3%、特異度は100%と報告されています(明石ら、感染症学雑誌2021年95巻第1号p9-16)。

発症から24時間程度経過した時点で検査したとしましょう。

この時最も検査の感度が高まりますが、そもそもインフルエンザに特徴的な発熱、悪寒、関節痛、咽頭痛などの症状があり、かつ流行しているとしたら感覚的に陽性の可能性が高そうだと分かります。

これが検査前確率が高い状態です。

それでも検査に完璧はなく、偽陰性が存在します。

逆に周囲にインフルエンザの人がなく、発熱、関節痛などもない方が念のため検査した場合、検査前確率が低く、検査をしても陰性になることが予想されます。

検査には偽陽性、偽陰性が付き物です。

マイコプラズマの抗原検査は感度が低いですし、血液検査のリウマトイド因子は特異度がやや低いです。

検査を行うに当たっては、その検査の感度と特異度を理解し、そもそも病気にかかっている確率(検査前確率)をよく考えて行うことが大事です。

手足口病について

今年は手足口病、ヘルパンギーナが流行しています。

潮来保健所管内でも6月末から流行が始まり、依然として警戒レベルとなっています。

コクサッキーウイルス、エンテロウイルスといった夏に流行するウイルスが原因となります。

ウイルスの種類によって出現する症状が異なりますが、だいたい2歳までのお子さんに多く、小学生高学年になると少なくなります。少ないながら、成人にも見られます。

お子さんによりさまざまですが、2~3日間の潜伏期の後に38℃台の発熱、咽頭痛、発疹が出ます。

発疹は腕、足全体、お尻に出やすく、かゆみはさほどありません。発熱だけの子も見られます。

接触感染が多く、便の中に含まれるため、おむつ交換の際は手洗いの徹底など対策が必要です。

詳しくは厚生労働省のホームページもご覧下さい。

予防医療のすすめ

特定健康診査を代表とする健康診断は、将来心疾患や脳血管疾患を引き起こす生活習慣病などを早期に発見し、予防、治療していく上で重要なものです。

会社にお勤めの方はきちんと健診を受けていただき、自営業の方は市から案内される特定健診を積極的に受けることが望まれます。

現在神栖市の受診率は約3割程度と、かなり低水準にとどまっています。

ご家族など身近な人にも声をかけ、積極的に健診を受けるようにしましょう。

さて、現在健康な人が病気を早期発見して治療したり、感染症の予防をして健康で長生きするために、何をすれば良いでしょう。

生活習慣病なら特定健診ですし、がんなど悪性腫瘍ならがん検診(バリウム検査、レントゲン、乳がん検診、子宮がん検診など)でしょう。

お金に余裕があれば、人間ドックも有効です。

お金に大いに余裕があれば、別添の資料にあるとおり、ワクチン、がん検診など自費で受けることで病気を予防し、早期発見、早期治療につなげる可能性が高まります(引用:亀田メディカルセンター様の「予防医療の薦め」)。

花粉症の初期療法のすすめ

今年(令和6年)のスギ花粉は、昨年よりは少ないものの、要注意レベルを超えると予想されています。

典型的な症状は鼻汁、くしゃみ、鼻づまりで、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどを伴うこともあります。

治療薬としてよく用いるのが抗ヒスタミン薬と呼ばれるグループで、1日1回のタイプや1日2回のタイプがあります。

眠気を伴うことがあり、効果を弱めて眠気も弱めたもの、効果は比較的高いが、眠気が出やすいものなどあります。

これらの薬剤は飲み始めて効果が十分に出るまで1~2週間かかり、症状が悪化してから飲み始めてもすぐに治まらないということになります。

そこでおすすめなのは「初期療法」という考え方です。

まだ鼻汁などの症状が出ていなくても、早めに内服開始することで症状悪化を緩和することができます。

毎年花粉症に悩まされている方は、早めの受診、早めの内服開始を検討してみてはいかがでしょうか。

肺炎球菌ワクチンのすすめ

高齢者は免疫力が低下し、肺炎球菌による肺炎で重症化することがあり、大きな脅威といえます。

肺炎を未然に防ぐ目的で肺炎球菌ワクチンがすすめられており、現在65歳以上66歳未満の方、および60歳~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器・免疫の機能で身体障害者手帳1級の認定を受けている方に市から3000円の助成があります。是非接種を受けるようご検討お願い致します。

さて、助成のある23価の肺炎球菌ワクチンはニューモバックスNPという製品で、肺炎球菌の莢膜という部分の多糖体に対する抗体を作るのが目的です。

効果の持続期間は5年程度とされています。

最近、新しい肺炎球菌ワクチンが登場し、効果が期待されています。

プレベナー20は20種類の肺炎球菌を予防できるワクチンで、多糖体にキャリア蛋白を結合させた結合型ワクチンで、長く効果が続きます。

もし肺炎の予防効果と強めるのなら、ニューモバックスNP(助成あり)を注射して、1年後以降にプレベナー20を注射する、というのがベストと言えます。

高齢者肺炎球菌ワクチンは市の補助が出ます

詳細はこちらをご覧ください

引き続きマスクの着用をお願い致します

令和5年5月8日から、新型コロナウイルス感染症が5類感染症になったことで、クリニックの受付にあった仮設のパーテーションは撤去致しました。

市中ではマスクの着用は任意となっておりますが、医療機関は基礎疾患を持っている方が多く、新型コロナウイルス感染症のリスクがあるため、クリニック内では引き続きマスクの着用をお願い致します。

マスクをお持ちでない場合は、受付にお申し出下さい。また、発熱や咳、下痢などの患者さんは、従来通り第2待合室にご案内しますので、クリニックに到着されましたら外にあるインターホンでお知らせ下さい。

子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、2023年4月から積極的推奨が再開となり、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に定期接種が行われています。

HPV(ヒトパピローマウイルス)のうち、特に発癌リスクの高い16型、18型の2価ワクチンに加えて、その他7つの型を加えた9価ワクチン(シルガード9)が用いられており、従来のワクチンより、子宮頸がん発症をより低く抑えることができ、効果が期待されています。

15歳未満は2回接種、15歳以上は3回接種となっています。

定期接種で受けるため、遅くとも高校1年生の9月までに1回目の接種を行うようにしていただくと良いです。

海外では接種が進んでおり、特にオーストラリアでは、近い将来に子宮頸がんを撲滅できるとまで言われています。積極的に接種していただくことを推奨します。

旭中央病院の広報誌「こんにちは」で当院が紹介されました

下記リンク(PDF)の14ページ「かかりつけ医を持ちましょう」で紹介されております。
よろしければご覧ください。

広報誌のページこちら

注射の痛みを軽減する方法

注射の痛みを軽減する方法として、クリームやパッチのご案内をしております。

詳しくはこちらをご覧ください

内科に関するコラムは以下になります
インフルエンザ
ノロウイルス感染症
甲状腺疾患
花粉症
アレルギー性鼻炎
気管支喘息
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
加熱式タバコについて
禁煙のすすめ
禁煙外来
抗菌薬(抗生物質)の乱用予防について
高齢者肺炎球菌ワクチン
生活習慣病に関するコラムは以下になります
高血圧
減塩のすすめ
不整脈
不整脈をどう見つけるか
心房細動
心不全
大きく変わった心不全治療
狭心症
弁膜症
脂質異常症(高脂血症)
糖尿病
高尿酸血症(痛風)
静脈血栓塞栓症
大動脈弁狭窄症
B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)について
小児科に関するコラムは以下になります
手足口病
突発性発疹
咽頭結膜炎(プール熱)
おたふくかぜ
みずぼうそう
アトピー性皮膚炎
食物アレルギー
ワクチンについて
注射の痛みを軽減する方法

このページの先頭へ戻る